Q. 風力発電による低周波音は、健康に影響を与えますか?

A. いまのところ、風力発電から発生する超低周波音・低周波音と健康影響について、明らかな関連を示す知見は確認されていません。

最終更新:2022年9月29日

風力発電施設から発生する音には低周波音も含まれますが、他の環境騒音(交通騒音等)と比べて特に大きいわけではありません。

風力発電施設から発生する音と健康影響の関係については、国内外でさまざまな研究が進められており、風力発電施設から発生する超低周波音・低周波音と健康影響について、これまでに明らかな関連を示す知見は確認されていません。

低周波音は、一般に100Hz以下の周波数の音を指します。その中でも20Hzを下回るものは、超低周波音と呼ばれ、通常人間には聞こえません。

超低周波音は、音圧レベルが高くなると、圧迫感等を感じさせる場合があることが知られています。

環境省が2013年に検討会を設置し、2016年に発表した報告書「風力発電施設から発生する騒音等への対応について」では、これまでの国内外で得られた研究結果を整理し、以下の知見が得られています。

  • 日本の風力発電施設から発生する音を実測調査した結果、風力発電施設から発生する超低周波音は、音圧レベルがそれほど高くなく、人間の知覚閾値以下であることがわかった
  • 他の環境騒音を比較した結果、風力発電施設から発生する音は、低周波数領域で卓越があるわけではなかった
  • 国内外の風車騒音と人への健康影響について、過去の研究を広く整理し専門家による審査を経て医学会誌等に掲載されたレビュー論文や、各国政府による報告書等を整理したところ、風力発電施設から発生する超低周波音・低周波音と健康影響については、明らかな関連を示す知見は確認されていない

ただし、これらの科学的見地に立ったとしても、実際になんらかの症状を訴える人が存在することも事実であり、風力発電事業者は個別の事例において、ステークホルダーと丁寧なコミュニケーションを重ねることが重要です。